
理事長所信
第70代理事長 長嶋 泰生
スローガン
知行合一 〜想いは強く、行動へ〜
理事長所信
はじめに
私は2011年、名寄青年会議所に入会しました。入会動機は「生まれ育った名寄市のために何かがしたい」という漠然としたもので、当時は“まちづくり”を行う団体というだけの認識であり、自分の抱く理想と現実との差を目の当たりにし、理解に悩むこともありました。しかし、様々な役職を経験させていただき、今改めて思うのは、青年会議所は“まちづくり”をはじめとした諸活動を通じて個人の意識を根本から変え得る団体であるということです。活動を通じて様々な機会に出会うことで、より良い発想を持てるよう成長でき、そしてより良い行動を起こせる思考を持ち、実践できる“ひとづくり”に繋がることを私自身もこれまで実感して参りました。我々が活動の先に目指すものを今一度見つめ直すと共に、諸先輩方が紡いできた名寄青年会議所の歴史と伝統、そしてJayceeとしてのあるべき姿をしっかりと受け止め、これからも継承して参ります。
そして、友好JCである天草本渡青年会議所は今年創立60周年を迎えられ、友好JC調印より30周年を迎えます。友好の歴史に敬意を表すると共に、紡がれてきた想いと繋がりの強さを再認識し、さらなる絆を深めて参る所存です。
今、名寄青年会議所に求められるものは何か
「知行合一」とは中国の明の時代の学者、王陽明の言葉で「知って行わないのは、未だに知らないことと同じである。知っている以上は必ず行いにあらわれる」という意味です。知識と行為は一体であり、本当の知は実践を伴わなければならない。これは我々青年世代が生きていく上でとても重要な考え方であり、そして青年会議所活動で学ぶべきものであると私は考えます。なぜなら、真摯に活動に打ち込み、卒業された諸先輩方は皆、例えJCという組織を離れても、未来を見据え、自身の責任を果たすために“行動”をし続けており、そのようなJayceeとしてあるべき行動がより良い未来を創り出すことへ繋がると信じているからです。まちの“傍観者”ではなく“当事者”として我々メンバー一人一人が果たすべき責任を自覚し、率先して行動することが多くの人へ共感を生み、大きなJC運動にも繋がります。現在、名寄青年会議所は10余名と決して多くはない人数で活動を続けておりますが、強い想いを持ち、行動に示すことが仲間や他者より信頼・共感を得て、活動の輪を広げるために常に求められると考えます。そのような姿勢を忘れずに活動に励んで参ります。
青年団体としてのあるべき姿とは
2020年度、日本青年会議所では「組織改革」を最重要課題として打ち出し、会員減少が予想される将来も持続していける仕組みづくりを提唱しました。
当会の創立65周年中長期ビジョンでも「5年後も地域に必要とされる組織であるための時代に合った組織づくり」を提唱しており、メンバー個々が様々な業種や立場にある中、各役職の責任を全うできるようにするためには、スムーズな情報伝達や相互のフォローに努める必要があり、時に組織の在り方を見直すことも求められます。また、近年「多様性」という言葉を耳にすることが増え、個々の価値観の尊重が重要視されていることは言うまでもありません。しかし、我々は青年を冠した団体として、目標へ向けて“努力”することを忘れてはならず、“努力”を差し置いて組織やシステムを言い訳にするようなことはあってはなりません。日々の活動の中で、困難なこと、成功するか分からないことに時に泥臭く立ち向かう場面もあるかもしれませんが、まず自分自身が“努力”すること、その上で仲間の力を借りて成し遂げることが青年としてあるべき姿ではないでしょうか。そしてそのような“努力”がなければ成長、つまり自分の内面での良い変化は決して起こり得ないと考えます。個々のメンバーが次の一歩を踏み出せるよう、そして青年会議所活動に掛ける時間が有意義なものとなり、かけがえのない経験となるよう、互いを勇気づけ合い、“努力”をして行ける組織を目指して参りたいと思います。
まちづくりをする上で
近年の名寄市を思い返した時に、どのような考えを抱くでしょうか。2020年度以降、コロナ禍における経済の低迷や大手企業の撤退、若者世代の人口流出・少子高齢化のさらなる進行など後ろ向きな出来事が続き、まちへ暗い影を落としていると感じる人も少なくないかもしれません。しかし、我々もそのような課題をどこか他人事のように感じていないか、名寄市民の一人としてまちの良さを実感し、それを受け止め、他者へ伝えられる程の理解をしているのか。そういったことを危惧することがあります。中長期ビジョンにある「まちの魅力の再考・発見・発信」をするには、まずはまちの魅力を実感として捉える必要があり、課題を自分ごととして捉えるべきです。
まちの未来が憂慮される今だからこそ、我々がまちづくりの当事者として明るいビジョンを抱き、まちの魅力を認識し、それを次代へと繋げられるきっかけや仕組みを作ることが必要です。一つ一つは小さな取り組みであっても、そのような積み重ねが市民の郷土愛を育み、我がまちを誇らしく思えることに繋がるはずです。まちを誇りに思い、将来もこの地域で暮らしたいと思える市民を一人でも多く増やして行けるよう、未来を見据えたJC運動を展開して参ります。
むすびに 互いを尊重し合おう
私たちは社会人として各々が仕事を抱え、貴重な時間を費やしてJC活動に励んでいます。そのような中でそれぞれが仕事・家庭・JCを円滑に行うためには、個々の立場を尊重し思いやる想像力と計画性が何より重要です。そして、人を勇気づけられるのは人だけであり、同じJayceeとして互いに手を差し伸べ合うことも忘れてはなりません。
今、我々がJC活動をしている目的は何でしょうか。名寄青年会議所へ入会した理由は個々に様々であると思いますが、責任のある一人の大人として自らの意志でJC活動を続けている以上、目的が必ずあるはずです。そして、それを成し遂げるためには他者の理解を得ること、協力し合うことが不可欠です。また、当たり前のように活動を支えてくれる家族や職場の方々、快く協力してくださる諸先輩や地域の皆さまへの感謝の気持ちも忘れてはなりません。
この一年という短い時間、漫然と過ごしても、惜しまず努力を尽くしてもあっという間に終わるでしょう。しかし、今置かれた立場で今の仲間と過ごす時間に同じ機会は決してありません。せっかくの一年、多くの機会に出会い、新たな可能性を見出し、自らの成長に繋げるために強い想いを持ち、互いを尊重し合いながらより良い行動を続けて行きましょう。
私自身も一年間、精一杯の努力を続けながら皆さまと共に歩んで参ります。どうぞよろしくお願いします。